蒼国来栄吉よりご報告

蒼国来栄吉の,真実を明らかにする闘いを報告していました。

地位保全等仮処分申請後の記者会見質疑

2011年4月22日,地位保全等仮処分を東京地裁に申立てた後,司法記者クラブにて開いていただきました記者会見から,質疑応答を以下のとおりご報告します。

弁護士:本日,財団法人日本相撲協会の所属力士である蒼国来関は,日本相撲協会を相手方として,幕内力士としての地位保全と,その地位に応じた所定の給与相当額の仮払いを求める仮処分の申立てを,この午後,東京地方裁判所に対して行いました。ご質問をお願いします。

Q.所定の給与相当額というのは,月額ですか。
弁護士:はい月額です。日本相撲協会の所定の給与規定に基づく金額として,月額1,309,000円となっています。

Q.今後の見通しとして,どういった手続きになりますか。
弁護士:本日申立てをいたしましたので,申立て書の内容を裁判所が審査し,その後,相手方である日本相撲協会に送付されます。さらにその後,審尋の期日を双方で打ち合わせて審理が開始されます。

Q.所定の給与相当額,というのは遡って未払いのものも含まれるのですか。
弁護士:いいえ。本件では解雇処分を受けてますので,その後の給与が払われないでしょうから,それ以後の給与の支払いを要求しています。

Q.関取ご本人のお気持ちは?
蒼国来:はい。今回のことに対して,自分がしていないことは,自分で言っても何もできないので,こうやって弁護士さんにきちっと裁判などで明らかにしてもらって,協会には調査をもう一度やり直してもらいたいという気持ちです。

Q.解雇以来この1週間の間に,協会に対して訂正を求めるなどしたのですか?
弁護士:解雇通告を受けた後では,特にお願いはしておりませんが,今まで,代理人として意見書・上申書を出しておりますので,それ自体は継続していると考えております。この間に,相撲協会さんのほうであらためて検討していただければ大変ありがたかった,という思いでおります。

Q.では上申書等への回答はなかったということですか?
弁護士:はい。この仮処分の申立てによって,最終的には決定による決着もあり得ますが,ただ,この審理の過程で蒼国来関が指摘されているような特定の一番について,いわゆる八百長や故意による無気力相撲といったことは一切なかったという,この彼の一貫した主張について,事実を明らかにすべく,決定によらなくても相撲協会さんの再度の検討をお願いしたいと思っております。この姿勢は変わりません。

Q.本訴の時期的なタイミングは?
弁護士:明確なことは差し控えさせていただきますが,いずれにしてもなるべく早く本訴の申し立てをする所存です。仮処分の決定に関わらず,極めて速やかに本訴も行う必要があると思っています。

Q.解雇処分された後,どのような生活をしてらっしゃいますか?
蒼国来:今のところ部屋に住んでいます。これから身体も動かして筋力トレーニングなどもやっていきたいです。詳しくは親方と相談して考えていきたいです。毎日,いろいろな方から,自分のしてないことはきちっと証明してやっていこう,と応援してもらっています。

Q.仮処分の段階で地位保全が認められた段階で,場所には復帰できるのでしょうか
弁護士:仮処分と言っても,裁判所の判断ですので,公的な団体であればそれを尊重した対応をしてくれるものと思っています。

Q.仮処分の結果は,協会に通知されるのですか?
弁護士:はい,当事者双方に通知が参ります。厳密には,双方代理人に通知の書面が送られてきます。

Q.仮に裁判所の決定に協会が従わなかった場合は,本訴で争うということですか?
弁護士:そういったことも含め,本案訴訟の手続きを速やかに進める必要があると存じます。ただ力士として復帰すればよいというだけではなく,これまで精進してきたことでたくさんのファンの方もいる幕内力士ですので,この幕内力士の地位を維持して,またさらに向上するということには,非常な努力を要します。たとえ本人の潔白が証明されたとしても,時間がたつほどに幕内力士として復帰することが難しくなります。ですから,心技体を維持するためにも,なるべく早く裁判所から決定をいただければと思っております。

Q.本訴の場合,認定の信頼性を争うのですか?
はい。まず,供述自体が非常にあいまいで変遷しています。また,どの一番についての証言なのか,どんな手段なのか,さらには供述自体があったかどうか,こうしたことについてよくわからないんですね。蒼国来関自身も,特別調査委員に「証言した人を呼んで下さい,私から話せば,どんなことかわかりますから」と申し入れたようですが,これも応じていただけなかった,といった事情もございます。

Q.わからないとおっしゃいましたが,代理人がわからないということですか?
いいえ。蒼国来関本人が,事情聴取を受けたときに,いつどこでどのような話でそういったことが起こったと証言されているのか,何度も調査委員に尋ねたにもかかわらず,調査委員から具体的な教示が何もなかった,という意味です。これらが具体的に示されれば,こちらも具体的な資料や証拠を出して,そんなことはありませんと説明できますが,具体的な指摘がないわけですから,こちらとしては,やってないものはやってないとしか主張できません。こうした事情ですので,認定の信頼性を争うことになるということです。
ほかになければ,この辺で。本日は,ありがとうございました。