蒼国来栄吉よりご報告

蒼国来栄吉の,真実を明らかにする闘いを報告していました。

蒼国来土俵復帰記者会見

2013年4月3日(水)相撲記者クラブ主催で開いていただきました記者会見での,蒼国来,荒汐親方,弁護団への一問一答からお届けします。

記者: 北の湖理事長から「申し訳なかった」との謝罪のことばがかけられたということですが,これを聞いたときの率直な気持ちを。
蒼国来: 「この2年間,つらい思いをさせてすみません」と言ってもらって,ものすごく心に響く言葉でした。嬉しかったというか,ものすごく感動しました。
記者: 親方にとっての,この2年間とは。
荒汐: まず,師匠としてはもちろんのことですが,一協会員として,こうやって一人でも冤罪を救えたということは,ものすごく嬉しいし,蒼国来がここまでよく自分の信念を貫いて,よく頑張ったな,と,そういう気持ちでおります。

記者: 今この場で,こういう会見が出来ていることについての気持ちは。
荒汐: 私は最初から信じて疑わなかったのですが,いざこうしたことになりますと,本当に今回,今日,北の湖理事長からご配慮いただきまして,七月場所でいいよ,それも十五枚目から,ということで,本当に相撲協会には感謝しております。
記者: 七月場所からでいいというのは,親方からお願いしたのですか。
荒汐: いいえ違います。一番最初に北の湖理事長からこれで,という話をいただきました。
記者: 理事長からお詫びの言葉があったとき,二人はどう答えましたか。
荒汐: それに対しての返事は二人ともとくにしていませんが,こうして理事長から言ってもらって,この二年間ここまでやってきてよかった,そういう感じでおります。
記者: 二年前には弁護士さんと一緒に戦うという会見をして,二年たって,こうして協会に戻れるという会見をしている。この今の気持ちを。
蒼国来: あの時はただ,自分はやっていません,という言葉しか思い浮かばなかった状況で,それがやっと本日明らかにしてもらって,時間は2年かかったんですが,弁護士さん・ファンの方はじめ,ずっと支えてもらって感謝してるし,自分としても自分が大好きな相撲に戻れるということで,ものすごく喜んでおります。
記者: 2年ぶりの国技館だったと思いますが,どんな気持ちで。
蒼国来: 好きな相撲の世界にもう一度足を踏み入れる瞬間は,幸せな気持ちを感じました。嬉しく思います。
記者: 七月場所でいいよ,と理事長から声をかけられたときは
蒼国来: すごく嬉しかったです。
記者: 五月場所が始まりますが,関取自身も七月場所のほうがありがたいという気持ちですか
蒼国来: 理事長はじめこうして配慮してくださったことに大変感謝しています。
記者: 稽古はいつから。
蒼国来: 本日こうして決定しましたので,明日からまわしを着けておりたいと思います。
記者: 2年のブランクがありますが,幕内の関取としてやっていく自信は。
蒼国来: まわしをつけたトレーニングはできていませんが,自分なりにトレーニングをしてきたので,これからまわしをつけて精一杯もとに戻るように稽古して行きたいと思っています。
記者: この2年間は蒼国来関にとってどんな2年でしたか。
蒼国来: 話せば長くなりますが,こういう結果をいただいたので,正直に言ってもうあまり考えたくないです。これからは前向きに稽古のことだけを考えて頑張っていきたいです。
記者: 時には心が折れそうになったことはありましたか。
蒼国来: それは一切無かったです。気持ちは最初からずっと強く持っていました。
記者: 今後,より注目が注がれると思いますが,プレッシャーに感じたりすることはありませんか。
荒汐: 私からは,皆様にお願いしたいことがあります。一日もはやく前の生活に戻してやりたい,稽古に精進する生活に戻してやりたいので,遠くから暖かく見守っていただければと,これを本当に皆様にお願いしたいところです。
記者: 結果についても注目されると思いますが。
蒼国来: ここまでこれたのは,今日まで応援してくれたファンの皆さんの応援もあったので,そういう支えてくれた人たちに恩を返せるように,そして協会にも,もっともっと相撲に来てもらえるように,今まで以上に自分がいい相撲をとっていきたいと思っています。
記者: ブランクがありますが,怪我を含めて,不安はありませんか。
蒼国来: あまり考えてません。前向きに,とにかく早く戻りたいという気持ちでいっぱいです。
記者: 師匠としては,このブランクの後の稽古についての考えは。
荒汐: 五月いっぱいくらいで,関取衆の稽古に参加できるくらいまで,進めばいいかと思っています。
記者: 師匠としてこれまで,いわば子である自分の弟子に,稽古の場すら与えることが出来なかった,親の気持ちとして,どんなものでしたか
荒汐: 家庭の両親と同じような気持ちです。本人はやってない,と言ってる自分の子どもに対して,お前はやってるんだ,というような,そんな気持ちはちょっと私は考えられない。子どもがやってないと言っている,それを信じてやってきましたが,部屋にもなかなか帰ってこれない,友達の家にお世話になったり,そんな話も聞いてましたので,協会との板ばさみもありましたが,つらいことも多々ある日々でした。
記者: 親方が2年間信じ続けてくれたことについては。
蒼国来: 親方は部屋で稽古していいって言ってくれたんですが,途中からあまりにも迷惑をかけるし,自分でも判決がでるまではこれからのことで影響が出ないように,ちょっと離れてトレーニングしようという気持ちで。
記者: 具体的には2年間のトレーニングは
蒼国来: ラグビーの練習に参加したり,筋トレしたり,自分が今できることだけをやってました。友達の家で,風呂の前には腰割り50回,100回とか,自分なりにやってきました。
記者: 親方は,あらためて弟子を信じてよかった,という気持ちですか。
荒汐: はい,それに尽きます。
記者: 部屋の他の力士の皆さんは?
荒汐: 蒼国来のことは,うちの力士はみんな慕ってますので,誰一人陰口をいうようなものはいませんので,みんな弟子は心配してますし,今日も今頃帰ってくるのをみんな待ってると思います。
記者: 二年前,解雇の判断を下したのも協会,そして今日,復帰の判断をしたのも協会ですが,今,あらためて相撲協会に対して思うことは
荒汐: 相撲協会に対して恨みとかどうこうという気持ちはまったくありません。それよりも,こうして復帰の判断をしてくださった北の湖理事長に感謝しています。
記者: 関取はこの2年間,一番力になったことはなんですか。
蒼国来: 弁護士のみなさんはじめ,親方,そしてファンの方が毎月集まって呼んでいただいたり,そこはものすごく支えになりました。
記者: 場所中,国技館の前ではずっと応援活動もされてましたが,そういうファンの皆さんにあらためて一言。
蒼国来: 口でありがとうございますと言っても言い切れないほどの応援をしていただいたので,今度こそ,相撲に帰るので,相撲で恩を返したい,そう思っています。
記者: 2年で番付の顔ぶれも代わりましたが,今の顔ぶれを見てどう思いますか。
蒼国来: 正直に言って,最近やっと相撲を見られるようになったんですが,十両も幕内もすごく力士が変わったなという感じはしてます。知らない子たちも上がってきてるのも見てましたので,そういう人たちに負けないようないい相撲を取りたいです。
記者: 番付は15枚目からですが,今後の目標としては
蒼国来: 自分がいけるところまで頑張りたいと思ってますので,明日,大関になる横綱になる,とは言えませんが,できるところまで頑張りたいです。
記者: いつごろから相撲を見られるようになりましたか。
蒼国来: どうしても見るといろいろ考えちゃってたんですが,1年前くらいから少しずつ見るようになって,ここ数場所はほとんど見ていました。
記者: それは自分が立つことをイメージして,ということですか
蒼国来: そういう意味もありました。
記者: 中継を見て,なぜ自分がここにいないんだ,という気持ちにはなりませんでしたか。
蒼国来: ありました。なぜ私がいないのか,そう感じたことはあります。
記者: 弁護団の方から,この戦いを振りかえって。
弁護団 裁判は双方が弁護士をつけて争うので,何事も簡単な裁判はありません。その上,今回のようにやってないことを証明するというのはなかなか難しいことで,そういった面では大変な訴訟であったという部分はございます。ただ,蒼国来関は,非常に気持ちが安定した方で,日本の法制度もよくわからないだろうし,裁判についてもよくわからないはずですが,一度たりとも弁護団に不安や不満を言ったことが無いんです。これは立派だと思いました。法廷で関取の認識とは違う証言が出たときでさえ顔色を変えないので,かえって怒らないのはヘンだと言われたことまでありますが,それくらい気持ちが安定している方ですね。そういう意味でも,弁護団は日々救われたところがあります。そして親方が,関取のことをずっと信じていたというところも大きかったです。
記者: 師匠としては,今後どういった相撲をめざしてほしいとお考えですか。特にファンの方へ伝えるものとして。
蒼国来: この人間はそういったことで心配することはありません。誠実ですし,賢い人間ですので,そういう面については私はまったく心配していません。
弁護団 他にございませんか。では本日はお忙しいところ多数お集まりいただきありがとうございました。今後ともご支援よろしくお願いいたします。

以上